サービス業であるA社様は旧耐震の本社ビルの建て替えを決定。A社様は独自で設計会社を探し契約を締結しましたが、ビルの建て替えに知見がなく、自社が働くスペースに求める要件定義を行わないまま基本設計に進んでいる状況でした。
また、解体や建築、竣工後の建物管理といった事業費の把握や、各業者への見積依頼先もイメージされていませんでした。
そこで、設計やゼネコンといった各専門業者とA社様との間に立ち、補佐・助言をしてほしいとご要望をいただき、当社は「プロジェクトマネジメント業務」を行うことになりました。

当社としては、まず、新しいオフィスで働くイメージを社内で議論するようご提案しました。
例えば、これまで通り固定席スタイルにするのか、フリーアドレスを導入するのか。会議室は何人用を何室必要か、リフレッシュスペースは必要か否か、必要であればどのような空間にしたいか、収納はどの程度必要か。
当社はA社様が汲み取られた多岐にわたる意見をご担当者様とともに精査し、設計へのフィードバックを繰り返し、設計図をブラッシュアップしました。
また、丸紅グループのネットワークを活用して収集した情報をご提供し、ゼネコンなどの各専門業者の選定に当たっては、数社によるプロポーザル形式とすることで、クオリティを高めながらコストパフォーマンスの高い発注に導くことができました。

当初の依頼から竣工まで3年半にわたり携わらせていただいたA社様の自社ビル建て替えプロジェクト。
当社の提案で大きく評価を頂いた点は、一部の区画をテナント区画とし、収益を生むスペースにした点です。当初のプランは自社専用ビルとなっていましたが、当社は立地エリアの利便性やマーケットなどを分析し、外部テナント誘致が可能と提案しました。その結果、仲介会社と連携して早期にリースアップし、A社様の収益に寄与することができました。

当社のご提案はもう一つあります。長期目線でのビルの維持メンテナンス費用を抑えるため、給水方式の変更や清掃を容易とする内装材への変更を指摘したことです。これは、ビルメンテナンス業務を営業の重要な柱とする当社ならではの提案であり、ご好評を頂きました。

当社では、不動産の有効活用提案から、日々の建物管理業務、リーシングに至るまで、ワンストップでご提案できる体制を整えております。300を超える様々な不動産アセットを長期的に、かつ、安定的に運営管理しているからこそのお手伝いができたプロジェクトであったと考えています。